【続】朝の旋律、CHOCOLATE
メールの、中身。
字数制限があるから、何通か一気に届いていて。
電話に出てよ!と。
一通目に、いきなり書いてあった。
署名も題名もないけれど、こんなの。
狭山久志に決まってる。
「…ごめんね、か………」
この前は、皆がいたから、あんな事言ったんだよね?
なのに、怒ってごめんね。
仕事は仕事だもんな!
謝りたかったんだけど、いつも邪魔が入るから…。
なかなかゆっくり会えなくて、ごめんね!
いつなら電話できる?
「…頭に…虫でも…湧いてるのかな」
面倒くさい。
こんな、奴。
こんな奴の為に、私は。哲は。
…哲。
ずっと怒ったまま、かな。
私、どのくらい耐えられるかな。
哲の居ない夕食は、作る気にもならなくて。
でもまた怒られたら嫌だから。
食べた、ふり。
汚れてもいない食器をいくつか濡らしてカゴに、伏せた。
…戸締まりして、寝ないとね。