【続】朝の旋律、CHOCOLATE
逃げるように、配達に出た。
狭山工販には行かなくて済むように、婿様は上手に配分してくれる。
特に、困った言動を取らなくなった狭山久志だけれども、婿様の警戒は、解けない。
ただ、私が何も言わなくなったから、なんとなく口を噤んでいてくれるだけだ。
諦めたように息をついた哲は、気をつけて、と。
2日ぶりに私の髪に、触れた。
きゅう、っと。
不意に泣きたくなった私は、必死で唇を噛んで。
今朝来ていた、2度目のメールを、やっぱり言い出せないままでいる事に、罪悪感を。
感じた。
どうして返事をくれないんだ、と。
書かれていた、Cメール。
一通目を見せそびれたから、ますます、言い出しにくかった。