【続】朝の旋律、CHOCOLATE
手が、痺れる。
両の腕から、全ての精気がこぼれ落ちたような、虚脱感。
残された私はぎくしゃくと、追加工のお願いをして。
どうしたの?
と心配してくれた、溶接工のオジサンに、思わずすがるような目を向けてしまってから。
小さく首を横に振るしか、出来なかった。
ちょうど、お昼だ。
私、このまま帰れない。
こんな顔してたら。
心配、かける。
ほらみろ、って怒られる。
私は痺れる手足で少し車を走らせて。
赤信号の交差点に突っ込みそうになったことで少し、我に返った。
私の部屋は、近いけど。
少し、休まないと。
少し、落ち着かせないと。
ゆっくりと、コインパーキングに車を停めて。
私は降りることなく、そのまま。
運転席で、小さく固く、膝を抱えた。