【続】朝の旋律、CHOCOLATE
…私、なにしてる?
こんな、過呼吸みたいに具合悪くして。
一度…相手した?
私、狭山久志といつ寝た?
そんなに、結婚に反対なら、息子を説得すればいいのに。
二股も三股も掛けてて、色仕掛けするような女、普通嫌だよ。
どんな淫乱だ。
そんな女やめろ、目を覚ませ、って息子を叱ればいいじゃないか。
………………。
…ほんと、おかしな親子よね。
………おかしな、親子。
……もう、いい。
辞めよう。
仕事辞めて、哲と離れて。
絞め殺す。
仕事は、代わりがいくらでも見つかるはず。
哲は怒ったままだし、大人だから。
私がいなくなっても、あんまり苦しまない、はず。
私は。
そんな事もないし、出来っこない、とわかっていながらも、必死でそんな事を思っていて。
最悪でも、そういう道が残されているはずだ、だからまだ負けない、と。
必死に言い聞かせていて。
浅い呼吸が乱れに乱れ、苦しくて涙がにじむ中、鳴った携帯の“哲”の文字に。
意識を失うかと思うくらい、熱く、かき乱された。