【続】朝の旋律、CHOCOLATE
…蜜、どうした?
思いのほか感覚のなかった指先で、電話を受ければ。
耳元で、哲の声。
「…て、つ」
ひっく、と。
嗚咽が混じってしまって。
……ちょっ…駄目だよ私。
哲の肌の、錯覚が強くなる。
別れなきゃ、と。
この人と、別れなきゃいけないんだ、と、強烈に思った。
わずかに働く理性では、そんな馬鹿な、と思いはしているけれど。
どうした、どこにいる?
蜜、泣かなくて大丈夫だから。
「………ごめ、なさぃ…」
ごめんなさい、ごめんなさい、…助けて、死んじゃう、と。
ひどく息を乱す私、すごくカッコ悪いけど。
とても、面倒な女だけど。
呼吸が早すぎて。
怖くて怖くて、視界が真っ暗に狭くて。
このままじゃ、ほんとに死んじゃうと、本気でそう、思っていたんだ。