【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「…蜜、蜜!」
服越しの体温と、哲の、声。
私を呼ぶ、声。
哲の匂いだ、と思う間に私の体は、運転席から抱き下ろされて、後部座席に乗せられた。
声が、2つ。
哲と、婿様。
「みちゅ、大丈夫かぃ?」
落ち着いて、ゆっくり息をしなさい、と耳元で囁いたのは、婿様。
私はそれに、小さく頷いて。
ようやく与えられた体温を、もっと感じようと、哲のシャツの裾から、手を滑り込ませた。
…ああ。
シャツ、邪魔…。
この中に潜り込んだら、哲、怒るかな……。
「………強、く…」
足りない。
足りないよ哲。
もう少し、強く抱き締めて欲しい、………です。
私の手は必死に、素肌の哲の背中を、まさぐって。
強く抱け、なんて。
理性の欠片が、私、信じらんないくらいエロカッコ悪い、って…呟いた。