【続】朝の旋律、CHOCOLATE
あぁ…私、キラちゃんにまで心配かけちゃったんだ。
基本的に甘えっ子で、真ちゃんの膝に無理やり抱かれようと乗っかっては、もう重いしデカいし無理だよ、と笑われるくらいのキラちゃんにまで。
寄り添うように傍にある、人より高い体温。
犬の目って。
すごく表情がある。
笑うし怒るし、困るし悲しむ。
今は、明らかに。
「キラちゃん……私を子犬と一緒だと…思ってるね…?」
…チョー賢い、んだけど…。
私、チョー切ないよキラちゃん…。
追い討ちかのように、哲に髪を撫でられて私は。
キラちゃんの首を抱きしめて、動悸が治まるまで、じっと、泣きたくなるのを、我慢した。
「あれ…寝ちゃった?」
「あー、哲もう動けないな」
寝てないよ、でももう少し、なんて思いながら私は、きっと。
まだ動き回っている子犬の気配を顔の傍に感じながら、うとうとと、まどろんでいたに違いなかった。