【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「………あ…」
ひとしきり泣いた私は、顔を上げて、急に笑い出す。
だって、団長の黒いシャツが、私の目の幅でくっきりと濡れていて。
それだけでも笑えるのに、ご丁寧に鼻水まで!
「あああ…団、長…ごめ…んなさいっ…」
号泣のあとの爆笑に、団長は、頬をひきつらせて、私の頭を押し離した。
「みみ…蜜サン!どれだけ分泌いいんですか!」
「大丈、夫!サラサ、ラです!」
「そういう問題じゃありません!」
しゃくりあげる合間合間にも、笑いの止まらない私に釣られたように、団長も笑いながら、シャツのボタンを外す。
「冷たっ…」
「洗ってきま、す!から!」
駄目だ。
息が苦しい。
笑い過ぎか、泣き過ぎか、はたまた飲み過ぎか。
やだ団長、何脱いでるんですか汚らしい。
などと。
誰かの声が、更に笑いを誘う。
楽しくて。
でも仲間がひとり居なくなることは寂しくて。
思い切り泣いて、思い切り笑って。
私はやっぱり幸せなんだと、思った。