【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「…ねぇ、哲」


真ちゃん、大丈夫なの?

より、戻したけど上手く行かないの?
つーか、より戻したの?




本当は。

静かに、哲の体温を感じていたい。

テレビをつけていない、哲の部屋。


もう少し、気まずいような空気になるかと思ったけれども、全然、そんな風にはならなかった。


今日会ってきた、その“お母さん”は、綺麗な人なのか…とかも、本当の事を言えば、訊きたい。



…訊かないけど。


だって。

うん、って言われたら、なんだか悲しくなりそうだもの。



今は私のことを好き。
今は私だけを好き。

って。

内心、必死で言い聞かせていないと私。

なんだかとても、寂しくなりそうで。





ほんとは。
ほんとは。


…………彼女と私…



どっちの体が良かった?



…なんて、馬鹿な事、も。




き…気になって気になって!




訊けないけど!
訊かないけど!


だって立ち直れないじゃん!?




< 282 / 422 >

この作品をシェア

pagetop