【続】朝の旋律、CHOCOLATE
投げ出した哲の足の間に、私は何とか収まるサイズ。
哲は細身だけれども、遼のような優しい感じの体つきではなくて。
真ちゃんのように、馬鹿みたいにタトゥーが入っている訳でもない。
ただしっかりと。
そこに居てくれるだけで安心、する。
「なに、ヤキモチ?」
「…………ちがっ…」
…わない、けど。
わかってるなら口に出さないでよ、恥ずかしい。
私は。
本当はちょっと、あまり顔を見ないで欲しいから。
もぞもぞと足の間で、後ろ向きに体勢を変えた。
怪我をしてしまった太腿を、撫でて。
そこにある傷を、思った。
「……痛、い?」
「そうでもないよ」
ごめんね、と思う。
私のせいで、とも、思う。
でも、きっと。
それは、あまり口に出しちゃいけない、ん、だろうな…。