【続】朝の旋律、CHOCOLATE
ドンドン!!!
…………ドンドンドン!!!!
ガチャガチャガチャ……!!
……ふ…不穏な音が…ドアから聞こえますね、哲也さん。
「…………ドア破る気か…?」
面倒な匂いがする、と嫌そうに体を起こした哲は。
私の、縫った方の肩を支えて、起こしてくれる。
唇に光ったピアスと、首筋のラインがとても綺麗で。
…素直にときめいてしまう、自分の単純さは…嫌いじゃないけれど、こんな時はちょっと自重しようか私、とも…思う。
「なんでお前がいるんだ!!!」
突然聞こえた、男の人の、声。
と、バタンっ、とドアを閉めた音がして。
かちゃり、とチェーンまで掛ける、音。
一気に、鼓動が跳ね上がった。
誰?
なんて、哲に訊かなくてもわかる。
開けろ!
そこのアバズレに話がある!!
なんて。
狭山工販の、社長の声。
狭山久志の、父親、だ。