【続】朝の旋律、CHOCOLATE
携帯を片手に、ドアの外を無視した哲は。
部屋の中のドアから自分のエリアに戻ると、どうしていいか解らないでいた私を、手招く。
婿様?と、一応電話の相手を確認した哲は、片手で私を引き寄せて、息を吸い込んだ。
「狭山の社長が、今来て騒いでるんすけど……」
…ぶん殴っていいですか。
……踏みにじっていいですか。
…叩き殺していいっすか!!
だっ…
だだだ…駄目だよ哲!
なに言ってんの!!
なに婿様に当たってんの!!
「………あぁ…じゃあ、待ってます」
ちっ、とばかりに電話を切った哲は、何も言わずに、布団をめくりあげた。
「寝て」
「…………でも」
「いいから」
…出たよ“いいから”。
仕方なく、もそもそと哲のベッドに上がった私に、ありったけの布団を巻きつける。
「行ってきます」
「…ちょっ…………」
何が“行ってきます”だ!
馬鹿か!!
私も行く!!