【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「…………行くの?」
「行、くよっ」
「……なんで」
何でも、だ!
もうね。
私、吹っ切れた気がするの。
哲は怪我するし、職場には迷惑掛けっぱなしだし。
婿姫様まで泣かされて。
オヤジの言い分を、聞いてやろうじゃないか、って思うの。
大丈夫。
私には、哲がいる。
婿様も社長もいるし、私には、逃げ道も、ある。
ドアの外では、狭山の社長が。
告訴を取り下げろ、と騒いでいるけれど。
まだしてねぇよバーカ。
法律の事も、犯罪の事も、罰則のこともよくわからないけれど。
なかった事にならないのならば。
丸く収まらないのならば。
負ける訳にはいかない、よね?
哲刺されて黙ってるとか。
有り得ない。