【続】朝の旋律、CHOCOLATE


干したトマトと、グリーンチリを混ぜ込んだ、少し堅めのパンを、スライス。



「……連れてくる訳じゃ、ないんでしょう?」



薄切りにしたオリーブを並べて、チーズと、挽いた黒胡椒を乗せた。




「………俺が連れてかれちゃうのョ」

「えっ、イギリスに?」

「…ん」




天板に並べて、オーブンに放り込む。

温度は、190℃。





「………会えなくなる、の?」



私はいくつかボタンを押してから、振り向いて。

真ちゃんと哲とを、交互に見つめた。




どうしよう。
私、会えなくなるのは、嫌。



「好きで行くんなら…なぁ…」


哲も、歯切れが悪い。


そう。
そうなんだよ哲!

愛は結婚してから育むもの、とか、たまに聞くけれど。

まだ、結婚する気がないみたいなのに、相手を決められちゃうなんて…!


や、いい加減、身を固めろ、って思っただろうおばあちゃんの気持ちもわかるけど…!!




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