【続】朝の旋律、CHOCOLATE
小悪魔どころか悪魔だ!
と、哲には可笑しそうに笑う真ちゃんは。
ちらりと私を見下ろして、片方の目を眇めると。
ほんと、困ったドルチェだな、なんて。
私の頬を、指先で撫でた。
「蜜、今度は何した」
苦笑しながら近づいて来た哲に、私は突き飛ばされるように押し付けられた。
今度は、ってなんだ!
私、何にもしてないよ!
なんか、おばあちゃんと話をする予定が狂ったから!
真ちゃんに直接訊いちゃえ、って思っただけだよ!
や、思っただけじゃなくて、訊いちゃったけど!
「もー、勘弁してョ」
乳ねぇくせに生意気なんだょ~
「そんなふうに行かないで、って言ってるだけじゃん!」
乳が関係あるかっ!
そもそも真ちゃんだって…言えって言ったくせに!
「……蜜…」
押し付けられた私を、恥ずかしげも無く抱き留めたまま、哲は呆れたようにため息をついて。
余所見したら…駄目だって言ったろ? なんて。
…わざと…絶対に、わざと!
耳元で、低く甘く…囁いた。
よよよ…余所見なんか……!
……え…あれ?
……………余所、見?