【続】朝の旋律、CHOCOLATE
私は。
“余所見”に思い当たる節があることを、自覚している。
自分が、真ちゃんを好きなこと、自覚している。
ただ。
哲がいる、という大前提がある上での、事。
恋じゃ、ない。
それが、哲に伝わってないのかと思って、ちょっと不安になっただけ、だ。
「…蜜、ちゃんとわかってるよ?」
ちゃんと、わかってる。
ごめんって。
そんな傷ついたような顔、しないで?
な?
と、哲は。
私を下から覗き込んで、笑う。
「…………なら、いい」
ああ、ごめん。
ごめんね、哲。
なんで上から目線なんだ私。
「………私…めんどくせぇね」
「ちょっとね」
ああ!
やっぱり!?
弾かれたように笑い出したエレンさんは、きっと。
あらかたの日本語を“聞く”ことは出来るんだ…と。
そう思った。