【続】朝の旋律、CHOCOLATE


ランチ…というか、アフタヌーンティーというか…。

休日の、爽やかな風が吹き抜ける、オープンカフェ。


お菓子の袋を持って行き交う、外国人の、家族。

きっと近くの教会で、イベントかミサかが、あったんだろうと思う。



目の前には。
Old lady of British。

柔らかい金髪の。
グリーンの目が輝く、小さくも、大きな、レディ。




「ベリー系のジャムって、他に何かあります?」


エレンさんと2人分頼んだ、デボンシャーティー。

スコーンと、クロテッドクリームと。
いちごの、ジャム。


…パンケーキはどうした? と思わなくはなかったけれど。

たっぷりと赤い、キラキラしたジャムを掬って、嬉しそうに笑むエレンさんを見ていると。


要は、なにか甘いものを食べたかっただけなのかもねぇ、なんて。


私は、体の気怠さも手伝って、穏やかに、穏やかに。

老婦人とのデートを、楽しんでいた。



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