【続】朝の旋律、CHOCOLATE


それから。

哲に、チョコレートを買って貰った。


真ちゃんが行っちゃったせいか、狭山の会長が馬鹿なせいかわからないけれど。

なんとなく、なんとなく、寂しくて。


私はずっと、哲の手を離さないままでいた気がする。

チョコレートを選ぶ時も。
静かな歩道を歩く時も。

荒らされ放題だった郵便受けを、覗く時も。



一緒にベッドに、入ってからも。




哲は、どこにも行かない?
ずっと、そばにいてくれる?


夜が更けるにつれて、じわりじわりと襲って来た不安。

この前、過呼吸を起こしてからというもの、こんな風に。


私だけが一方的に、哲に縋っているような、気がして。

哲は優しいから、何となく拒絶しないだけ、なような…気がして。



頭では色々と…ちゃんとわかっているのに、不安で不安でたまらなくなる時が、あった。




「…………蜜が好き、って言いながら抱っこ求む」



…ごめんね哲。
私、チョーめんどくさいよね。




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