【続】朝の旋律、CHOCOLATE
哲は嫌な顔をする事もなく、大きく、緩く、私の腰を抱く。
好きだよ、と額にキスをくれる。
私は哲の足の間に片足を突っ込んで絡みついてから。
哲の服の前を少し開けて、胸の蝶に、唇を寄せて目を閉じた。
「…え、そんだけ?」
「何が?」
「……………もう寝る姿勢?」
「……う、ん」
え、違った?
哲の匂いがいっぱいだから、安心して眠れるかなぁ…とか…思ったんだけど…。
「……………」
「…………………」
やだ…、なにこの沈黙。
「…“哲なんか嫌い”のまま寝んの?」
「…………………」
…え?
あ…ああ…!?
「きっ…気にしてたの!?」
「…………そうじゃないけど」
哲は、わざとらしく拗ねた目をする。
そんな訳ないことなんか、ちゃんと知ってるくせに。
こうやって、ちゃんと。
わざと。
私“も”求められている事を、わかりやすく示して、くれる。