【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「トランペット…錆びちゃいそう…」
「そだな…。午前中、取れたら、スタジオ行くか?」
哲の、自分の唇についたチョコレートを指で拭う仕草が、ものすごくエロっちく見える。
…なんて、言えないけれど。
私は、アーモンドクリームの入った小さなチョコレートを、ゆっくり味わいながら、ベッドの足元の方に畳んだままのパイプベッドを、眺めた。
真ちゃんに、チョコレートの味も、アーモンドの味も、わかるようになったよ、って……。
「哲、メール…して?」
「…………蜜がしても、構わないよ?」
「ううん、哲が…して」
真ちゃん、元気かなぁ。
ちゃんと彼女と…仲良くしてるかなぁ。
結婚する時は…知らせて…くれるのかなぁ…?
真ちゃんが、私にくだらないメールをくれたら……私も普通に返信しようと、思うのに。
あれきり、なんだもん…。