【続】朝の旋律、CHOCOLATE
シングルだった、ギター音。
それが、重なった。
チカチカと、何度も照明が点滅する中で、交差する、音。
輪唱のように。
合唱のように。
音が、すり変わる。
空気が、変わる。
ステージ上の、哲、が。
喉を反らせて、微かに笑った。
とても、とても、気持ちよさそうに。
「…………ぁ…」
「あーあー、もう脱いでるし」
簡単なギターリフは、勝手気まま。
タトゥーだらけの肌を、思い切りさらして。
変態の証のような、乳首ピアス。
哲の声を乗せて、渦巻くように溶け合う、真ちゃんの。
してやったり、といったような、嬉しそうな、顔。
私を真っ直ぐに見つめて。
わざとらしく、大きなハートの飛んだようなウィンクを、した。