【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「蜜、蜜、こっち」
泣くな泣くな、と哲に苦笑されて初めて。
びっくりし過ぎて、ぽろぽろと涙がこぼれていることに、気が付いた。
「だっ…て!真ちゃんが!」
乳無いって言った!!
………じゃなくて!
「…真ちゃん結婚は!?」
「ん~?」
「ん~、じゃないよ!」
私は哲に絡め取られるように、抱き留められたまま。
飄々と笑いながら、レスポールをしまう真ちゃんを、まだ何か信じられないような気持ちで、見つめた。
「…エレンさんお薦めの…彼女と結婚するんじゃなかったの!?」
「あ~」
……振られちゃった。
テヘペロっ。
「…振られ…ちゃっ………!?」
真ちゃんは。
無駄にカッコ良く、いやらしい小花柄のシャツを羽織ると。
哲、歯ブラシ買っといてくれたぁ?と私の頭を、ぐしゃぐしゃと、撫でて。
「俺、向こうに永住するなんて言ってねーョ?」
ばぁちゃん送ってっただけだもん。
………なんて。
……………ば…
…ば…馬鹿なんじゃないの!?