【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「……………………」
「歌詞どおりにしようか」
「…やだよ…私に死亡フラグが立ってる………」
だってあの歌…歌詞だけを聴いたら…
………私、首絞められちゃうじゃん。
「革の手袋、無いなぁ」
ちょっ…聞いてる!?
死にたくない、って言ってるんですよ?
「哲…私……Mじゃなぃよ?」
「……………」
……なんで黙る…?
「…あの…Mじゃ………」
「…さすがに……無理がある」
「ええっ」
どういう意味だっ!
何が無理!?
私がMだとでも!?
…そんな馬鹿なッ!!!!
「哲!哲!私!優しくないの嫌だし!!」
やだ、ちょっと待って!
ほんとにMだと思われて、いたぶられても困るよ!!
「や…優しくしてくれないと……優しけれ……優しいのが…いい…な…?」
「俺、優しくない?」
「………優し…けど………」
も…ちょっと……待って。
昼休み、あと2分くらいしかないのに。
なに、この話の…逸れ方。
哲の唇は。
私の耳朶を、食む。