【続】朝の旋律、CHOCOLATE
経理部にも用があったから、と。
抑えた声で話す、哲の声。
眠っても大丈夫な、声。
狭山工販の経理部は3階にあって。
階段の途中にある小さな窓から、ちょうど、私が触られたのを見たらしい。
哲いわく。
3階の窓で、足を触られていて。
2階に来た時には、胸だったとかで。
私は。
哲がいなかったら、どこまでされたんだろう、なんて。
巨乳じゃなくても触りたいものなんだろうか、とか。
やや現実逃避しながらも、再びうとうとと。
哲がいるなら、眠っても大丈夫。
哲の飲みかけの烏龍茶は、まだ冷たい。
うつるから、返してあげないつもりで、飲み干してから。
そのペットボトルを抱えて、目を閉じた。