【続】朝の旋律、CHOCOLATE


経理部にも用があったから、と。

抑えた声で話す、哲の声。

眠っても大丈夫な、声。



狭山工販の経理部は3階にあって。

階段の途中にある小さな窓から、ちょうど、私が触られたのを見たらしい。


哲いわく。

3階の窓で、足を触られていて。
2階に来た時には、胸だったとかで。


私は。
哲がいなかったら、どこまでされたんだろう、なんて。

巨乳じゃなくても触りたいものなんだろうか、とか。

やや現実逃避しながらも、再びうとうとと。



哲がいるなら、眠っても大丈夫。

哲の飲みかけの烏龍茶は、まだ冷たい。

うつるから、返してあげないつもりで、飲み干してから。

そのペットボトルを抱えて、目を閉じた。



< 73 / 422 >

この作品をシェア

pagetop