【続】朝の旋律、CHOCOLATE


週末20時まで診てくれる病院は、やっぱり珍しいのかな。

すごく、混んでる。

私は待合室に座らされて。
哲は私の保険証と診察券を、取りに帰る。



ほんとは横になりたい。

受付で売っていたマスクをして、前屈みに。
突っ伏すように、咳き込んだ。

キュウゥ、と。
締め付けられるような、痛み。


早く、抗生物質ください。
診てくれなくていいから、薬だけください、なんて。

溶けるように熱い目に、入り口で買って貰った、スポーツドリンクのペットボトルを当てた。




哲、見ちゃった…か……。

黙ってようと思った時には、もうバレてたんだなぁ…。


とりあえず計れと渡された体温計は、あっさり38度を突破して。

39度の手前で、止まった。



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