【続】朝の旋律、CHOCOLATE
メイアクト様、またお世話になります~。
っていう、柔らかい夢を見ていた。
あ、メイアクトって、今貰って来た、抗生物質。
子供の頃は、薄いオレンジ色の、甘い粉だった。
今日のは、錠剤。
私、大人になったんだなぁ…。
場面が切り替わった夢の中で、私は子供。
不意に、火事の夢に変わる。
磨り硝子のドア一枚隔てた向こうは、誰もいない銭湯で。
熱を出すと必ず見る、夢。
くすぶるような煙の臭いと、息苦しさ。
不思議と、逃げるつもりにはなってなくて。
ただ、怖い。
音が。
音楽のような、効果音のような。
どんな楽器にも出せないような、怖い、音。
私が逃げ出したら、家族が困る、って。
そう思っている、夢。
夢の中で、子供の私は。
泣き声ひとつ立てずに、独りで。
ドアが焼け落ちるのを、ただ見つめている、夢。