【続】朝の旋律、CHOCOLATE
中に着たTシャツが濡れているかどうか、背中に入れた哲の手が、やたら冷たくて。
「…哲、ちょっと気持ちいい」
寒くてたまらなかった、さっきとは、違う。
触られるとぞわぞわした、さっきとは違う。
私の素肌のお腹と、哲の素肌のお腹をくっつけたら、きっと冷たくて、気持ちいいんじゃないかなあ、なんて。
…言えないし、出来ないけど!
「あ」
哲が、私のTシャツから覗いた左肘を、持ち上げた。
「………血出てる」
「あぁっ…擦ったとは思ってたけど…!痛かったけど!」
結構出てるよ血!
いや…出てたよ血!
………ああ…可哀想な私の肘。
肌理に沿って赤いものが縦横無尽。
「……俺?」
「うん」
「…………」
「ごめんね、は?」
「……………」
や、別に謝って欲しい訳じゃ、全然ないんだけどさ。