【続】朝の旋律、CHOCOLATE
「…入院やだ」
「した方がいいって」
「…入院やだ」
「ワガママ言うな」
「…にゅ…」
「しろ馬鹿」
「うぅ…」
場所は。
哲が、指を落とした時に、お世話になった、大学病院。
……哲が、あんなに慌てたの、初めて見た。
不謹慎だけど…正直ちょっと嬉しい、と思う自分の思考回路が可愛いと思う、思考回路がまた。
……ねぇ。
だって、ちょっとだったんだよ?
ちょっとだけ、血飛沫状に、タオルが汚れただけ。
喉が切れたか、気管支が切れたかしただけ、だと思う。
…すっごいびっくりしたけど。
「……毎日、来るから」
「…いい…。…大丈夫だもん」
…ドキっとしちゃったじゃないか!
来なくていいよ!
仕事終わったら、ちゃんと休んでてくれないとイヤだよ!
あれよあれよと言う間に、手首に挿された点滴。
送ってくれた社長が。
女の子なんだから個室にしてやって!と。
ちょっ…
個室……いくらなの……?