【続】朝の旋律、CHOCOLATE



「…入院やだ」

「した方がいいって」

「…入院やだ」

「ワガママ言うな」

「…にゅ…」

「しろ馬鹿」

「うぅ…」



場所は。

哲が、指を落とした時に、お世話になった、大学病院。

……哲が、あんなに慌てたの、初めて見た。

不謹慎だけど…正直ちょっと嬉しい、と思う自分の思考回路が可愛いと思う、思考回路がまた。

……ねぇ。

だって、ちょっとだったんだよ?
ちょっとだけ、血飛沫状に、タオルが汚れただけ。

喉が切れたか、気管支が切れたかしただけ、だと思う。


…すっごいびっくりしたけど。




「……毎日、来るから」

「…いい…。…大丈夫だもん」



…ドキっとしちゃったじゃないか!
来なくていいよ!

仕事終わったら、ちゃんと休んでてくれないとイヤだよ!



あれよあれよと言う間に、手首に挿された点滴。


送ってくれた社長が。
女の子なんだから個室にしてやって!と。



ちょっ…
個室……いくらなの……?



< 81 / 422 >

この作品をシェア

pagetop