【続】朝の旋律、CHOCOLATE
静かになってしまった、病室。
ドアの外には、いろんな人がいる気配は、ある。
気配はあるけど、廊下の床が絨毯だったものだから。
足音も、何かキャスターの転がる音も、聞こえない。
…哲のいた病棟は、こんな豪華じゃなかったのに。
うとうととしては、目が覚める。
咳き込んでは、目が覚める。
私の病気は、肺炎で。
真っ白に写った、胸部レントゲン写真は、小さい頃に見慣れた感じ。
いくつか、肺胞割れたよね。
だって、咳しなくても痛いし、ずっと血の匂いがしてる。
うとうと。
うとうとと。
遠慮がちに現れた看護師は、高校生くらいにしか見えない男の子を連れていて。
学生の看護実習なんですが、宜しいですか?
なんて、言った気がする。
私も、頷いた、気がする。
哲、看護師さんって、男の子でもなれるんだねぇ。
白衣のマッチョな天使、怖いねぇ。