【続】朝の旋律、CHOCOLATE
点滴を取り替える音で、目が覚めた。
さっきのベテランそうな看護師さんと、高校生くらいにしか見えない男の看護学生さん。
カチャカチャと音を立てては、ひそひそと、繋ぎ方だとか調節だかを、説明し、それをメモしている。
「あ、ごめんなさい、起こしちゃったわね」
「……いえ」
「あ、血圧、はからせて貰ってもいいかな?」
「……どうぞ」
……さては、拒否しないようなタイプを見定めて、学生を付けるんだね…?
…今、絶対、血圧計る必要ないもん。
練習ならば、自分たちで計り合いっこすればいいのに。
失礼します、と。
私の部屋着の袖を、捲る。
妙にひんやりした指先が、私の熱がまだ下がっていないことを、示していた。
寒いから、早くしてね?