【続】朝の旋律、CHOCOLATE


「食べないと、あの赤いお兄さんに言いつけますよ」


「………赤い…お兄さん……」



哲、哲!

カップ麺みたいに言われてるよ!
彗星だったらカッコ良かったかも知れないのにね!


…いや、違う違う。

楽しくなってる場合じゃなかった。



……こやつ…。

弱味を握った気でいるのか?

私が、哲の言いなりだと…思ってるんだな…?




「血圧、計らせてください」

「………嫌」


「…お願いします」

「嫌」


「……………ごめんなさい」

「…よしっ」



高校生にしか見えないような看護学生なんぞに…たばかられてなるものか!

……たばかる、の使用法が違うかも知れないけど。



今朝は、体温が平熱に近かった。

だから、とても体調がいいような気がして哲に。

もう元気です、って。
メールを送った。


そうしたらね。

その認識は間違っています。
と。


真っ向から否定しやがったんだ…。



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