桃橙 【完】
「私は…それを聞いて正直、ほっとしました…」


「…安芸」


「……お父様や、お姉様を好きでいなくていいのだと、心底安心したんです」


「………」


「でも…、お母さんも亡くなってしまって」


「え?」


「昔から病弱だったそうです。本当の私の母も…体が弱かったみたいで」


「安芸は?」



すぐさま私のことを心配してくれる総さんに、嬉しくなって「私は、お父さんに似たみたいです」と笑った。
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