桃橙 【完】
再会
――…
それから1ヶ月がたった頃―
安芸は、思いがけない人と再会していた。
「……蔵宇都…」
青柳本宅に戻り、陶弥兄さんに呼ばれて行った場所には―…
あの日以来の…蔵宇都の姿があった。
その姿は、とてもやつれていて
着ているものもそうだけれど、髪も、すべてが…
今まで見たこともないような姿に、安芸は胸が締め付けられた。
「蔵宇都…っ」
思わず、駆け寄りそうになったのを総さんに止められた。