桃橙 【完】
「遙お兄様…」


「安芸。父と話して、必ず会いに来る。…ここにいて安芸は、幸せなんだね」



切ない瞳で安芸を見つめる遙に、安芸は「…はい」と涙ぐみながら頷いた。



「…なら、よかった。青柳社長、失礼します」


「あぁ、気をつけて。帰りは送ろう」


「いえ。それには及びません」


「…そうか。何かあったら連絡しなさい」


「はい」



そのまま深く礼をして、遙は青柳家を後にした。
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