桃橙 【完】
サラサラと落ちていく安芸の髪。


それに触れているだけで愛しい。



「安芸…」



そのまま安芸の顎を捉えて、安芸の唇に自分の唇を重ねた。


触れるだけ。


何度も何度も角度を変えて安芸の唇に触れる。



「総さ…」


「…ほら、口を開いて」



安芸は、潤んだ瞳で俺を見上げた。
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