桃橙 【完】
「あー…それにしても、疲れた」
「お母さん、大丈夫ですか?」
「んー?大丈夫よ。あいつからはたんまり金もらってんだし。…ま、あいつもまさか私と安芸が一緒にいるなんて思ってもないでしょうけど」
お母さんの言葉に、あの日のことを思い出すのが嫌になって、顔を背けてテーブルを上を片付け始めた。
あの日…
家を飛び出して行くあてもなく歩いていたところを、車に乗ったお母さんに声をかけられた。
「安芸?」
あの時は後先考えずに、お母さんの言われるがまま車に乗り、お母さんの住むアパートに泊まった。
そして、しばらくは何もせずにいたのだけれど、ここにいつまでいていいのか不安になった私は、お母さんに聞いた。
「いつまで、ここにいていいの」かと…
そうしたら、思いのほか、お母さんは惚けた顔をして、
「あんた、他に行くとこあるの?ないんでしょ?だったら、ここに住めばいいじゃない」
それでも申し訳ないとごねる私に、タダで住むのが嫌っていうなら、働けばいい。と今のアルバイト先を紹介してくれた。
「お母さん、大丈夫ですか?」
「んー?大丈夫よ。あいつからはたんまり金もらってんだし。…ま、あいつもまさか私と安芸が一緒にいるなんて思ってもないでしょうけど」
お母さんの言葉に、あの日のことを思い出すのが嫌になって、顔を背けてテーブルを上を片付け始めた。
あの日…
家を飛び出して行くあてもなく歩いていたところを、車に乗ったお母さんに声をかけられた。
「安芸?」
あの時は後先考えずに、お母さんの言われるがまま車に乗り、お母さんの住むアパートに泊まった。
そして、しばらくは何もせずにいたのだけれど、ここにいつまでいていいのか不安になった私は、お母さんに聞いた。
「いつまで、ここにいていいの」かと…
そうしたら、思いのほか、お母さんは惚けた顔をして、
「あんた、他に行くとこあるの?ないんでしょ?だったら、ここに住めばいいじゃない」
それでも申し訳ないとごねる私に、タダで住むのが嫌っていうなら、働けばいい。と今のアルバイト先を紹介してくれた。