桃橙 【完】
「食事だよ」


「へぇ、珍しいな。お前が…彼女とか?」


「…いや、違う」


「そうか」


「お前こそ、こんなところでなんだよ。…もしかしてあの見合い相手のお嬢さんと食事か?」


「見合い相手?」


「見合いしたって聞いたぞ?」


「…あぁ、」



言葉を濁す総に、俺はフッと笑ってから



「ま、お前がいいと思う奴と一緒になればいいさ」


「………」


「結婚式くらいは呼んでくれよな」


「あぁ」



そのまま総と別れて、安芸の待つ部屋へと戻った。
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