静かな涙【完】
慌ててプールサイドまで走り込む…



『マネ、遅いよ』


3年の副キャプテンの鈴木君が呆れながら言った…




『ごめん…ごめん…』



私は、あたふたと部員のタイムを測る…



『えっと…木村君…45秒38…です』



私はタイムウオッチをブラブラと首から下げて叫んだ…



『あぁ…マネ、今日、OB来てるから…』



鈴木君がすれ違い様に言う…



『…えっ…OB…』



私は目を凝らしてプールの中を見つめた…



『…』



そこには…



あの時と全く変わらない姿で…



浩司さんが力強いバタフライで泳いでいた…



< 107 / 248 >

この作品をシェア

pagetop