静かな涙【完】
私は椅子に腰かけて、浩司さんを見つめる…


目が離せないんだ…



水しぶきが時々私にかかる…



プールサイドからは、浩司さんを応援する後輩の歓声が聞こえていた…



『やっぱすげーな…先輩は』



私の隣で、キャプテンの木下君が関心している…



浩司さんを見るとプールから上がって、部員に手を掲げて笑っていた…




私はゆっくりと浩司さんの元へ近づく…




『お疲れ様でした』




そう言ってタオルを渡した…



「…あっ…真弓…ちゃん…ありがと…」



浩司さんはゴーグルを外して微笑んだ。




私も微笑み返す…
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