静かな涙【完】
――――――
――――…



『落ち着いた?』



京子ちゃんが、ずっと背中を撫でていてくれた。




『…うん…』



私は小さく返事をする…。




『…あーあ‥なんでこんな事になっちゃったんだろね…
アンタ達見てると私まで辛くなるよ‥』



京子ちゃんが切なそうに笑う…




『…うん…でも…仕方ないよ…仕方ないんだよ…』




私は何度も『仕方ない』を繰り返し…



京子ちゃんに言いながら、自分に言い聞かせる…




『…真弓……本当にこれでいいの…?』




京子ちゃんが私の顔を覗き込む…。




『………』




私は黙って頷いた…。


京子ちゃんは、フゥとため息を吐き…




『これでいいって顔してないよ、
自分の気持ちハッキリと伝えたの?後悔してるって、
毎日泣いて暮らす程後悔してるって‥。』



私は首を振る‥。



『やっぱり、ちゃんと言ったほうがいいよ。どうにかなるもんじゃ
ないかもしれないけどさ、気持ちだけはちゃんと言っておきなよ。ね?』

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