静かな涙【完】
真紀子さんを見ると、真紀子さんはニッコリ微笑んで…



真っ白な手を俺に差し出した…




差し出された手を取り、握りしめる…




『行こう…浩ちゃん…私の手…一生離さないでね…』




離さないでね…




離さないでね…――




俺はコクリと頷き微笑む…







そして、俺たちは




ブラスバンド部の演奏が聞こえる中、静かに高校を後にした…――



真弓への思いを、ただひたすら胸の奥にしまいこんで…



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