静かな涙【完】
『浩ちゃん、ありがとう』
「あぁ…真紀子さんも疲れただろう?ゆっくり休むんだよ」
そう言って浩ちゃんは優しく微笑んだ。
浩ちゃんは、私を家の前で降ろし、軽く手を降る。
ブロロ…――――
浩ちゃんの車が見えなくなるまで私は手を降った…
そして、私の声を聞いたのか、お母さんが玄関の扉を開ける…
『あら、真紀子おかえり』
『ただいま』
『浩司さん上がってお茶でもしていけばいいのに…』
母はそう言いながら、私の背後を気にする…
真弓の帰りを待っているのだろう…
最近、私がこんな目に合ったのにも関わらず、
お母さんもお父さんも真弓の味方なんだと…
嫌でも実感させられる…。