静かな涙【完】
『…あれ……?』



部活に戻ると誰も居ない…



私はキョロキョロと辺りを見渡す…




『…もう皆、帰ったよ』




宮崎君が鞄にタオルを詰め込みながら言った。



『えぇ…京子ちゃんまで私を置いて…』




私はブツブツ言いながら仕方なく帰る準備をした。




『もう5時くらいには帰ってたよ』




『5時って…もう6時過ぎだし…』




私、1時間以上もボンヤリしていたんだな…


ハァ…




と溜め息を付き、宮崎君の方へ目を向ける…


『宮崎君は何か用事でもあったの?』




無言の空気は重くて嫌だから私はとりあえず話し掛けた。
< 132 / 248 >

この作品をシェア

pagetop