静かな涙【完】
『『うっ…うっ…グスッ…』』


映画のラストシーン…


柄にもなく、私と宮崎君は感動し涙していた…。



子供向けだと思っていた私達は、始めはダラダラと見ていたが、
いつの間にか息をするのも忘れるほど、のめり込んでいた…。




『…思ったよりも面白かったね…グスッ…』



『うんうん…だね…グスッ』


私の隣で、宮崎君は涙目で笑った…。



そんな宮崎君を見ていると何故だか解らないけど…



私の心もふんわりと暖かくなった。。





『じゃあ、飯行こっ!お腹減っただろ?』



そう言って、宮崎君は私に手を差し伸べた。



『あっ…うん…。』



私もそれに答える…。





今日、本当は…


断ろうと思っていた…


宮崎君を騙したくない…


私が好きなのは浩司だから…。



でも…



宮崎君と居ると安心する…


優しさが、にじみ出ていて私をスッポリと覆ってくれる…




浩司を忘れる事さえ出来るなら、この暖かさに包まれていたい…





でも…それはやっぱり宮崎君を騙す事になるのかな?



あー…私は一体、どうしたらいいのだろう…



結局、答えなど出ないまま宮崎君とファミレスへ向かった。
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