静かな涙【完】
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『ねぇ…河上、やっぱり悩んでる?』



宮崎君がコーラを飲みながら聞いて来た…



『…えっ…ううん。何も…』


私は思わずビクッとなる…。



『心ここに在らずだよ』



そう言いながら宮崎君は笑う…。



『あっ…そんな事は…』



私は、違う違うと手を振った。。



心の中を見透かされているようで怖い…







『…なぁ…河上、悩まなくていいよ…』



私は一瞬、何を言ってるのか意味が解らなくて首を傾げた。



『…河上が好きなのは、先輩…俺はそれでもいいんだ。
いや…それでいいんだよ。』



宮崎君は、ストローを弄びながら言った…。




『……なっ……でもそれじゃ……』



私はどう言っていいのか解らなくて、言葉に詰まってしまった。。



『俺さ、実は…先輩と一緒に居た時の河上の笑顔に惚れたんだ…
なんつーか…本当に先輩の事が好きで好きで堪らないって顔してた…』



宮崎君は私の顔は見なくてテーブルの一点を見つめながら話した…。



『………』



私は、何も言葉が出ない…


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