静かな涙【完】
帰り道――――



私達は家路への道のりを宮崎君と歩く…。



ちゃんとした返事は返していないけど…



宮崎君となら、浩司さんの事少しでも忘れられる様な気がした。。




『宮崎君…今日はありがとう。面白かったし、
美味しかったし、嬉しかったし、楽しかった!』




『うん!ってあれぇ…いっぺんに言われちゃったら…
面白かったは映画で…美味しかったはファミレスで…』



そう言い掛けて、宮崎君の顔はパアッと明るくなった。



『…良かったぁ。そう言ってもらえて!』



宮崎君が安堵の表情で微笑む。



『うん!本当の本当にありがとう。これからも宜しくお願いします!』



私はペコリと頭を下げる。


『…あっ…いや…あの、こちらこそっ!』



宮崎君も頭を下げた。



私は思わずクスッと笑みがこぼれる…。



ほんと…
暖かいな…
この人は…



少し頼りないけど…



でも、暗闇の中にいる私に光をくれた…



私は…
宮崎君を好きになろうと心に決めた…




本当に好きになれるかは解らないけど…。。



でも、浩司さんを忘れようと思ったんだ。






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