静かな涙【完】
淡い期待
暗闇の中、私の家の屋根が見えて来た。



『宮崎君、送ってくれてありがとう』



『ううん。男なら当たり前だし!これからも毎日送るよ!』



そう言って宮崎君は微笑んだ。



私もコクリと頷き笑顔で微笑み返す。



その時…



暗闇の中、玄関先に二つの影が浮かび上がっていた…。




私と宮崎君は50m程先からボンヤリと二つの影を見つめる…。





お姉ちゃん…
浩司さん………





二人は私達に気付く様子もなく、影が重なると同時にキスをした…




お姉ちゃんが浩司さんの肩に手を回し、浩司さんはしっかりとお姉ちゃんの腰を抱えていた…。




こんなに離れているのに…



今にも二人の息遣いが聞こえてきそうで…




胸が苦しくなる…




やめて……




やめて………




ヤメテ……




『…い……っ…!!』



思わず叫びそうになった私の手を…



宮崎君が強く握りしめた…。
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