静かな涙【完】
私は宮崎君の背中が小さくなるまで後ろ姿を見つめた…



後に残った、三人の空気が重苦しい…。




「……真弓ちゃん……宮崎はいい奴だから、大事にしてもらえよ」




浩司さんが優しく微笑みながら言う…。



『本当、優しそうな人だね~。浩ちゃんの言ってた通り、真弓は他の男の子がほっとかないよね!』




浩司さんとお姉ちゃんの言葉が重くのし掛かる…




何、勝手な事言ってるの…


私がどんな気持ちでいるか解っているの…?



言い様のない怒りが、ふつふつと湧いてくる…。




泣かないと決めたのに…




泣かないと決めたのに…




悔しさと悲しみと怒りとで私の顔は、きっと酷い泣き顔になっていただろう…
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