静かな涙【完】
『…アハハ。真弓そんなに固くならなくても…』



智はそう言いながら、ソファーをポンポンと叩く。



『ここ座って』




『…うん…』





それから私達は、たわいもない話しをした。



暫くすると、話題が途切れ沈黙が流れる…










智の手がゆっくりと私の髪を撫でた…





智の吐息が耳元で聞こえる…。
私の心音が激しく高ぶって行く…




振り返ると、智と目が合った‥

そして私は、そのまま目を閉じた。




智……




好きだよ…




でも……




でも………。




長く甘いキスをしている途中でも、
思い浮かんで来るのは浩司の事ばかりなんだ…






最低だよね…



私って…






智の手が私の衣服のボタンに触れた…
< 162 / 248 >

この作品をシェア

pagetop