静かな涙【完】
『やっぱり…ごめん…私…』



私は…




智を押し退ける…




『…でももう、俺……』




それでも智は、力強く私を抱き締めて来る…



押さえつけられた手首がジリジリと痛む…








『……智…やめて…』



『やっぱり…私…』



『ねぇ…やめて…』





智が、無理やり首筋にキスをする…







『イヤっ”辞めてっ!!!浩司っっっ…!!』










智が、ほんの一瞬ビクッ!となった…






『……っ……。』





私…




浩司の事ばかり思っていたから……







『………ごめん…なさい‥。』












沈黙が流れる……






しばらくすると智は、少し引きつった顔で微笑んだ。




『…ごめん…俺、最低だな……』










私は首を横に振る…




最低なのは…





この私……。




智の顔…




こんなに傷付いた顔…



初めて見た…




『…私こそ…ごめんなさ…』




気が付くと、ボロボロと涙がこぼれ落ちていた…

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